先日、ある園長先生からこんなお悩みを伺いました。
「毎年実習生は受け入れているけれど、声をかけてもなかなか就職希望者が出ない…」
「保育体験に来てくれた学生も、その後音沙汰なし…」
もしかして、園長先生や主任の皆様も同じようなお悩みをお持ちではありませんか?
実は、優秀な人材を安定して採用できている園には、ある共通点があります。
それは、教育実習や保育体験を「採用活動の一環」として戦略的に設計しているということです。
多くの園では、実習や体験を「学生への社会貢献」や「教育協力」として捉えがちです。もちろんそれも大切ですが、せっかくの機会を採用につなげない手はありません。
なぜ実習・体験者からの採用が重要なのか
- 園との相性を事前に確認できる
書類や面接だけでは分からない、実際の働きぶりや園の雰囲気との相性を双方が確認できます。
- 学生の心に深く刻まれる
実際に子どもたちと関わり、先輩保育士の仕事ぶりを間近で見ることで、「この園で働きたい」という強い動機が生まれます。
- 採用後の定着率が圧倒的に高い
園の実情を理解して入職するため、「思っていたのと違った」というミスマッチが起こりにくくなります。
「体験者」を「応募者」に変える3つのステップ
Step1:魅力的な体験設計
ただ「見学してもらう」のではなく、学生が「保育の喜び」を実感できる体験を意図的に作り出します。
・子どもたちとの特別な触れ合いタイム
・先輩教職員による個別指導とフィードバック
・「あなただけの」目標設定と達成サポート
Step2:実習の”エンタメ化”
従来の堅い実習から脱却し、学生がワクワクする実習体験を演出します。
・選べる実習コース
・挫折防止のための充実したサポート体制
・称賛と激励の仕組み
Step3:継続的なフォロー体制
実習終了後も定期的に接点を持ち、自然な形で就職への道筋を作ります。
・LINE等を活用した気軽な相談体制
・園の行事やイベントへの招待
・個別面談や進路相談の機会提供
実習・体験から内定までの年間スケジュール
多くの園では、実習と採用活動を別々に考えがちです。
しかし、両者を連動させることで、より効果的な人材確保が可能になります。
春:保育体験イベントの開催
夏:教育実習の受け入れ(特別プログラム実施)
秋:実習生への個別フォロー・進路相談
冬:内々定・正式内定の流れ
結論
このように年間を通じて学生との関係を深めることで、「第一志望の園」として選んでもらえる確率が格段に上がります。
「文責 幼稚園経営コンサルタント 安堂達也」