interview 講師インタビュー

足達 香代子 [あだち かよこ]

ヨガと食事でたくましい生命力を育む、インド政府公認ヨガインストラクター・元女優。大学在学中に野田秀樹の「夢の遊眠社」に所属し、舞台やTVドラマ、CMで活躍。女優としての成長期にバセドー病を発症し引退。日増しに悪化する症状の中、マクロビオティックとヨガに出会い、食事と呼吸・体を整えることで、医師が驚くほど体調を回復する。その後、自身の経験で培ったヨガとマクロビオティック分野で指導者となる。舞台経験をベースに、ヨガを取り入れた呼吸法とその呼吸を使った発声法で、人と人とのコミュニケーションを円滑にするメソッドを提唱。どんな時でも落ち着つきを取り戻せる、呼吸を使った自分自身の整え方や、最高のパフォーマンスを出せる人前の立ち方の指導も好評。

「呼吸」とは「気」。
相手と呼吸を合わせると真意が伝わる会話ができる。

1  ヨガの呼吸と発声法を、保育の現場で活かしたい。

 幼児教育者向けに保育マナーを指導しています。振る舞いの基本は、ヨガを取り入れた呼吸法と、ヨガの呼吸を使った発声法で、そのベースとなるのは、私自身の舞台女優としての経験が土台になっています。人前に立つ時の意識の持ち方とか、人に伝わりやすい話し方とかですね。

 

2 普段の呼吸の仕方に、みな固有のクセがあります。

 私のマナー研修では、身体を使ったワークを多く取りいれています。体験することで自分の感覚に刻み込んで欲しいからです。例えば、寝ている人に声をかけ、その人と息を合わせて起き上がらせるワークや、パートナーの歌声を聴きながら一緒に歌うこととか。

 相手の声に耳を傾ける、呼吸を合わせる、ということを意識するだけでも、何も意識しない時と比べ、格段に相互連携が良くなり、ハーモニーも心地よくなります。こういうワークを通して、呼吸の大切さを理解してほしいと思っています。
呼吸って、生まれた時から自然にしているから、自分に呼吸のクセがあることに気づかないんですね。

 

3 呼吸と心は、つながっています。

 呼吸の浅い人、速い人とかいいますよね、これもクセですね。自分がどんな呼吸をしているかなんて、普段考えないですよね。でも、呼吸は「生きていくこと」そのものですから、生活すべてに反映されています。だから呼吸は、変えるだけでその人の生き方すべてが変わってしまうくらい大事なものです。そして、声の出し方にも影響を与えているので、相手に与える印象にも影響力があるんですね。

 舞台に出演してる時には、まだヨガに出会っていなかったので、呼吸についてここまで深く考えることはありませんでした。でもヨガを始めてから、呼吸と体、そして心が繋がっていることを、より強く理解できるようになりました。

 

4  呼吸を意識すると、心も変わります。

 例えば、イライラしている時は、呼吸が早くなっていますね。逆に、リラックスした気分の時は、ゆったりした呼吸になっています。呼吸の仕方が、その人の心の状態を写しだし、喋り方や佇まいにまで現れてしまいます。また反対に、呼吸から心の状態を変えることもできます。イライラしている時でも、呼吸を意識的に整えることで、心の平静さを取り戻すこともできます。

 自分の呼吸のクセに任せるのではなく、「呼吸は自発的に整えられる」と意識を変えるだけで、感情をコントロールできるようになりますし、喋り方のクセまでも直すことができます。

 

5 呼吸を整えて、子どもたちの前に立って欲しい。

 「私はこういう喋り方なんだ」と決めつけて、変えられないと思っている方が多いのですが、そんなことはありません。呼吸とともに喋り方を変えると、今まで伝わりにくかったことも伝わりやすくなり、コミュニケーションが楽になります。

 身だしなみを整えたり、髪の毛を気にしたりしても、「今日の呼吸はちゃんとしているかしら」とか、「この喋り方は良いかしら?」とは、あまり思いませんよね。そこを意識しないと、クセで喋ってしまうんです。子ども達の前に立たれる先生方には、ご自分を整えるという意味でも、意識していただけたら嬉しいですね。

 

6 良好な会話のポイントは、気を合わせること。

 「聞き上手」という言葉がありますが、まさに聞き上手の方は、相手に呼吸を合わせています。相手に話す間も与えないほど一方的に話す人がいますが、そのような人は、相手と呼吸を合わせようとしていません。呼吸を合わせるとは「気」を合わせることなんですね。

 片方だけが早い呼吸だと、相手は一方的な印象を持ち、自分が尊重されていないと感じてしまいます。会話はキャッチボールですから、お互いの「気」を合わせることが大切です。また、イライラしている相手には、わざとゆっくりした呼吸で喋ると、相手もトーンが下がり落ち着くこともあります。こうやって、上手に呼吸を使うと、伝わりやすい話し方が自然にできてきます。

 実はね、犬の散歩でも同じなんですよ(笑)。私と愛犬の呼吸がバラバラだと、リードが足に絡まったりするのに、呼吸が合っていると、隣にピッタっとくっついて歩いてくれます。

7 美味しいヨガは、極上のおやつです。

 ヨガを始めてから、自分の体への意識と、気持ちの安定感が変わりました。ヨガの呼吸は、私にとって自分と向き合うこと。そうした時間を日常に取り入れていくと、他者と比較したりする意識が薄れ、自分に集中できるようになります。すると、今自分がやることに、自然と集中できるようになりました。

 そうしたことが心の安定に繋がります。質の良い呼吸をしている時って、極上のおやつを頂いているような豊かな気持ちになり、それだけで満足します。だから、ダイエットしたい人にはヨガの呼吸法をお勧めしています(笑)。

 

8 話し相手の前に立つには、覚悟が必要です。

 ワークの一つに、「相手の正面に立って伝える」というものがあります。目は心の扉と言われるほど大切なものです。しかし私たちは、「相手の目のど真ん中」に立つという体験をほとんどしていません。相手の瞳の中心に、自分の体を持って行って話をすることで、すっと自分の真意が相手の心に届き、コミュニケーションが楽になることを経験します。このワークは想像以上に難しく、勇気というか、相手と向き合う気構えのような覚悟が要ります。

 

9 人生はワインのテイスティングのよう。

 最近夢中になっていることは、いっぱいあるんですけど(笑)。今はワインですね。

 今年(2018年現在)で私の運営する料理教室は10周年を迎えます。受験の条件も揃いましたので、一昨年ソムリエの資格を取得しました。ワインって1本にたくさんの情報が詰まっていて。ブラインドテイスティングで当てるのですが、いかに分析していくかが楽しい。でも、なかなか当たらない(苦笑)、だからこそ面白いんですね。

 同じ銘柄でも古いものと新しいものでは、味も香りも全然違って、まるで人生みたい。ワインは、人も集めてくれるし、楽しませてくれるし、思い出も作ってくれて、大好きです。

 

 

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