講師 矢野文子

interview 講師インタビュー

矢野 文子 [やの あやこ]

幼稚園教諭や保育士に対し、絵画指導の基礎となる色彩学を指導する色の専門講師。色彩に関しては、色彩検定認定講師として大学で教鞭をとり、社会に役立つ色彩学の応用法と資格修得のための対策講座を担当する。幼児期からの色彩教育の重要性を訴えながら、その指導にあたる教師達の色彩教養の向上に努めている。幼稚園教諭二種免許を有し、現場視点からの実践的なカリキュラムの研究に余念がない。公認資格に、日本色彩学会正会員、日本色彩教育研究会員、公益社団法人色彩検定協会認定色彩講師、1級カラーコーディネーター、ヤマハ音楽振興会ピアノ・エレクトーン演奏グレード5級、指導グレード5級など。

豊かな感性が、
人と人との関係を温かいものにする

1 箱に集めるほど、色が好きです。

 色の仕事をする前は、ピアノの先生でした。子ども達に教えることは楽しかったし、自分自身の毎日の長い練習も好きでしたが、その時間は自分の世界だけになるんですね。そうした生き方をしていた時に、「社会との繋がりをもっと濃くしたい」という思いと、「何か基礎からみっちり勉強したい」という思いが湧いてきました。そんなときに出会ったのが、色彩の世界でした。

 もともと小さい時には、綺麗な色のモノを、お気に入りの箱に集めるほど色の世界が好きでした。だから、学ぶなら一気にとことん学ぼうと決めて、一生懸命に色彩を勉強しました。その学びの中で私自身が色の持つ力に魅せられ、修得すると今度は人に伝えたくなって…。そうしたら、導かれるようにすぐに講師の仕事に恵まれて、そこからどんどん発展していきました。

 

2 色の美しさは、誰もが表現したくなります。

 色彩は多くの力を秘めています。色は本当に様々なところで活かせるツールなんですね。例えば、洋服の色を変えるだけで、一瞬で気分が変わるし、外見だけでなく内面にもアプローチできます。そして、子ども達の表現活動においても、色に着目して入ると、導入からとてもうまくいきます。

 先生も子ども達も色に着目することで、そのものの美しさを見つけやすくなりますし、美しさを感じ取れると今度は、それを表現したくなっていきます。

 

3 子どもの表現活動は、本当に尊いものです。

 幼児教育に限った話ではありませんが、人が生きていくには「心」がとても大事だと考えています。人や環境、家族への思いやりとか…。

 その思いやる心は、「感じる心」がないと相手のことを考えられないのですね。この「感じる心」を養い、細やかな感性をつくるものの一つに、色があります。穏やかな景色や自然などの、穏やかな色彩に触れる時、人間の心は穏やかになっていきます。

 もし、感じる心がなければ、仮に目の前の美しさが目に写っていても、心にまで響いていかないですね。また、色を意識することで、感性も豊かになり、感じる力も強くなります。ですから、子どもの「感じる心や感性」を育む表現活動は、本当に尊い大切な活動で、幼児期の人間形成に重要だと実感しています。

 

4 受講者が色づく喜びが、私の原動力です。

 相手を思う気持ちは大切なものです。でも本当に疲れきっている人は、人の厚意も綺麗なものも見えなくなります。だから、色で自分の心にアプローチできたら、感性を磨くことにつながるし、そうなるように心がけて仕事をしています。

 お仕事を通じて出会った人達がだんだん色鮮やかになっていく姿を見ると、とても嬉しくなります。カラーレッスンしているときに、自分の思いが「いま、届いたな」と感じる瞬間があるんです。それが一番嬉しいし面白いし、好きな瞬間です。研修を通じて私と一度でも触れ合った方が、ちょっとでもいいものを持ち帰っていただけたら嬉しいです。

 受講者が色づく喜び、それが私の原動力ですね。

 

5 人としての土台を、色彩の力で育む。

 人への思いやりにつながる感性は、人としての土台だと思います。それを穏やかに形成できるのが色彩の力を活かしたYANO式☆絵画造形指導法です。子どもが本来持っている人間としての力、温かな思いやりの心が育まれますし、それは教育の五領域に及ぶ豊かな感性を養うことにもつながっていきます。

 

6 心が動かなければ、楽しくありません。

 絵画造形指導のポイントは、子ども達の活動時間を楽しくするということに尽きます。子ども達自身の心が動かなければ、活動を楽しく感じることはできません。そこに何らかの感動があり、感情が動いてこそ、それが表現活動に活かせますので、活動時間が楽しいことが一番大事です。

 そのために、子ども達を楽しいと感じることのできる時間に導くための導入やサポートが大切なので、そこに独自の工夫と秘密があります。

 

7 「みんな違って、自由でよい」と伝えています。

 本来、子どもも大人も、絵画を含め自己表現は楽しいはずなのに、現場ではけっしてそうでないことも少なくないようです。例えば、見栄えの良い作品作りを目的としたり、正解を求めて作品作りをしたりすると、子ども達は苦しくなってしまいます。だから、子ども達の心が動いて、「楽しくてかけがえのない時間」の中で生まれた作品づくりになることが大切です。「表現って正解がなくて、みんな違って自由でいいんだよ」、子ども達に繰り返し伝えていくと、子ども達はどんどん自由に表現できるようになります。

 また、子どもの心を動かすには、先生ご自身がどうあるかが大事で、先生も感性豊かであることが重要です。これは、先生の絵の描写力の問題ではなくて、心のあり方の問題です。感性を磨くことに対して色はとても役立ちますし、色から自分の現在の心の状態をみることもできるんですね。

8 色で自分の心を知り、ハッピーになりましょう。

 例えば、絵の色使いによって、「自分より周囲ばかりを見ている」とか、「自分を大切にしていない」などが分かりますし、その絵柄から、心が何を求めているかを探求できますので、自分自身の理解にとても役立ちます。

 先生方も、先生である前にひとりの女性であり男性ですから、先生ご自身のマネジメントに、カラーを取り入れていただけたら嬉しいです。やっぱり、先生が元気でハッピーだと、子ども達もハッピーで過ごせますから。

 

9 これからは、線と形の感性トレーニングも必要です

 絵画造形指導法を進めていく中で、ある時「色だけでなく、線と形の感性トレーニングが必要だ」と気づいた時がありました。それからですね、より、色や線、形に注目していったのは。それが今の自分が描きたいものにつながっています。

 最近夢中になっていることは、やはり絵を描くこと、かな。日々の中で、「あぁ、絵を描きたい」と思うんですね。私の美しいの基準って少し変わっているようで、一般的に美しいとされるものだけを描いているわけではなくて。ちょっといびつだったり、整いすぎていない方が好きだし、ゆがんでいるものも好き。それが自分の絵に現れていて、統一性があるようでないような、おもちゃ箱のような感じ(笑)。

 その時々に感じた色で、描きたいラインを描いて、それが形になって…。それを繰り返したり、リズムを持って描き足したり、組み合わせたり。そういう時間が何より大好きです。

 

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