今日も「教職員と園長先生がうまく付き合う方法」についてお届けします。
シリーズ前半は園長先生(設置者)向けの教職員とのコミュニケーションの心得を中心にお届けしています。
今日の言葉は、
「アゲ・サゲを見る。」
部下に対して仕事を任せることに対して、無責任な信頼を寄せる上司がいます。
無責任な信頼とは、「任せるから、自分でやってくれ。私は構っていられない。」というものです。
そして、意に沿わぬ結果になると「そんなことは指示していない」と上司の責任も放棄します。
「信頼して、任せる」育て方は、丸投げとは違います。
この育て方は、新人の場合とベテランの場合で対応が異なります。
今日はベテランの場合です。
ベテラン、すなわち、自園でのキャリアの長い先生では、すでに園長先生の理念や園の慣例的習慣は把握しているものと安堂は考え、以降をお伝えします。
もしも、キャリアは長いが園長先生のお考えが理解されていないと感じる相手ならば、昨日の新人と同じように行って下さい。
ベテランの場合は、その先生が「今、乗っているのか、しょげているのか」を読取ります。
つまり、上り調子か下がり調子か、ということです。
仕事が面白くなってきて、バリバリと元気に働いている状態であれば、少しずつ難易度の高い業務を渡していきます。
その際、目的と締切り、注意点を伝えます。
それで、ベテランの場合は大丈夫。
不明点は相手から確認してきますので、あとは質問に答えればいいでしょう。
もしも元気なく、しょげているようであれば、仕事を手渡そうと考えていた用件は保留にして、「元気ないように見えるけど、最近どう?」とお話を聴いてあげましょう。
ここで、叱咤激励として「君がしっかりしてくれないと困る」という言い方は厳禁です。
それは園長の都合の押し付けだからです。
ここでは、園内外のどのような環境要因が、目の前のベテランを萎えさせてしまっているのか、そのヒントを教えてもらう良いチャンスだと考えて下さい。
なぜ一人のベテランのために、そこまで園長が心を寄せる必要があるのでしょうか?
それは、一人に現れることは、全職員に起こる可能性があるからです。
すなわち、みかんがすべて腐る前に、腐っているみかんを箱から取り除くように、要因が改善可能なものであれば、それは対策したほうが、職場全体の進化と活躍のために大いに貢献するからなのです。
そうして、元気のない職員には、話を聴いてあげて励ます。
伝えたかった仕事の話はこの時はせず、次回まで回す。
この次回というのは、翌日でもいいのです。
このときは「園長先生が私の話を、ただ、私のために聴いてくれた」という事実を残すことが大切なのです。
この事実が、未来のモチベーションに繋がります。
結論。
園長の傾聴は、信頼の貯金