こんにちは!幼稚園経営コンサルタントの安堂達也です。
「組織は人なり」――経営者なら誰もが知っている言葉です。
多くの園長先生がこう考えています。
「良い人材がいれば、園は強くなる」と。
もちろん、それは正しい。
しかしここに、見落としがちな落とし穴があります。
“良い人材がいる園”と、“人材が宝になる園”は、まったくの別物です。
宝の人材に恵まれた園とは、最初から才能あふれるスタッフが揃っている園ではありません。
人材の中に埋もれている宝を見いだせる園長先生、そのリーダーシップによってつくられていく園のことです。
先生の「個人のストーリー」を、どれだけ把握していますか?
ご自身の胸に手を当てて考えてみてください。
現場の先生方の経歴・特技を、園長先生はどれほど頭に入れているでしょうか?
保育資格だけではありません。
たとえば——
- 英語資格(英検・TOEIC・留学経験)
- 運動部の経験(バレー・陸上・ダンス・武道)
- 音楽活動(軽音楽部・合唱・吹奏楽、ピアノ以外の楽器)
- 表現系の趣味(ダンス・ネイルアート・イラスト・写真・動画編集)
- 生活スキル(手芸・お菓子作り・DIY)
- 人生経験(子育て・介護・地域活動・ボランティア)
- 前職のキャリア(接客・営業・事務)
こうした「個人のストーリー」は、本人の中に静かに眠っていることがほとんどです。
そして多くの場合、本人でさえこう思っています。
「保育とは関係ないし…」
「私なんかが出るのはおこがましい…」と。
園長の「ひと言」が、先生を輝かせる
ここで園長が気づけるかどうか。
「それ、園で活きるよ!」
この一言が、その先生を強力かつ協力的なエネルギーに変えます。
職員の才能は「配置」で光り、「応援」で育つのです。
具体的にはこんなイメージです。
- 英語が得意な先生には、「朝の挨拶に“ちょい英語”を入れてもらう」
- ダンス経験者には、「運動会前の表現遊びを任せてみる」
- 軽音経験者には、「行事のBGM選曲や効果音づくりを相談する」
- イラストが得意なら、「園だよりのワンポイントをお願いする」
- 写真が得意なら、「行事写真の撮り方をチームに教えてもらう」
大切なのは、丸投げではありません。
園長先生が意味づけして、伴走して、成果を一緒に喜ぶこと。
「あなたの強みが、園の価値になる」――これが伝わった先生は、驚くほど伸びます。
先生が輝けば、園児が輝く。
園児が輝けば、園が輝く。
そして何より、その先生が自分の価値を実感し始めます。
強い組織とは「人材が揃う園」ではない
もう一度、核心を言います。
強い組織・良い組織は、人に支えられる。これは真実です。
しかし本当の意味は、“できる人を揃えること”ではなく、“ここにいる人の中の宝を掘り当て、活かし、育てること”にあります。
園長先生の仕事は、保育を見守るだけではありません。
人材の可能性を見守ることでもあります。
つまり、園長先生は「園の責任者」であると同時に、“才能発掘の責任者”でもあるのです。
発掘といっても、スコップは不要ですよ(笑)
必要なのは、観察と対話と、ひと言の勇気だけです。
人材が育つ園には「仕組み」がある
とはいえ、忙しい現場で「一人ひとりの強みを把握して活かす」ことを気合だけで回すのは難しい。
だからこそ必要なのは、仕組み化です。
- 教職員の履歴・強みの棚卸し
- 強みを保育に接続する設計
- 任せ方・育て方・承認の技術
- チームで回る役割分担
- 退職を防ぐコミュニケーション設計
これらは、経営ノウハウとして学べます。
そして学んだ瞬間から、職場の空気が変わります。
結論
あなたの園に眠っている「宝」は、今日もそこにあります。
それを見つけるのは、園長先生自身なのです。
「文責 幼稚園経営コンサルタント 安堂達也」