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あの人、最近やる気ないかも…?「静かな退職」が園に与える本当の影響とは

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最近、一般企業で話題になっている「静かな退職(Quiet Quitting)」という言葉をご存知ですか?表面上は普通に出勤しているけれど、心の中では既に退職モード…そんな職員が実は5社に1社で確認されているという調査結果が発表されました(エン・ジャパン株式会社調査)。
「うちの園は大丈夫」と思いがちですが、ちょっと待ってください。この問題、実は保育・幼児教育の現場にこそ深刻な影響をもたらす可能性があるんです。

「静かな退職」って何?園への影響は?

「静かな退職」とは、辞表は出さないけれど、最低限の業務しかしない状態のこと。「言われたことだけやる」「新しい提案はしない」「子どもとの関わりが機械的」…こんな職員、心当たりありませんか?
一般企業なら生産性の問題で済みますが、私たちの現場では話が違います。
なぜなら…
!子どもの安全に直結する:アレルギー対応、ケガの予防、心の変化への気づき、これらはすべて「気にかける心」があってこそ。形式的な対応では見落としが生まれてしまいます。
!チーム全体に広がる:「あの先生、最近手抜きしてる?」そんな空気が広がると、意欲的な職員にしわ寄せが行き、結果的に本当の退職者を生む悪循環が生まれてしまいます。
!保護者の信頼を失う:子どもは敏感です。先生の「やる気のなさ」を感じ取り、それが保護者にも伝わってしまいます。

早めに気づいて、早めに対処!実践的なアプローチ

では、どうすれば「静かな退職」を防げるでしょうか?研修企画を担当される皆さんにも取り入れやすい方法をご紹介します。

  • 1.変化をキャッチする仕組みづくり
    月1回の「お疲れさま面談」はいかがでしょう?業務の話だけでなく、「最近どう?」という雑談から始めて、職員の心の変化を早めにキャッチしましょう。
  • 2.「やりがい」の見える化
    保護者からの感謝の言葉、子どもの成長エピソード、職員同士の「ありがとう」…これらを意識的に共有する場を作りませんか?朝礼や職員会議で「今週の嬉しかったこと」コーナーを設けるだけでも効果的です。
  • 3.成長実感を提供する研修設計
    「この研修を受けて、子どもへの関わり方が変わった」「新しいスキルが身についた」そんな実感を得られる研修を企画しましょう。座学だけでなく、実践的な内容や職員同士の事例共有も効果的です。
  • 4.園の理念を再確認する機会
    忙しい日常の中で忘れがちな「なぜこの仕事を選んだのか」という原点。研修や職員会議で定期的に振り返る時間を作ることで、職員のモチベーション維持につながります。

みんなで作る、活気ある職場

「静かな退職」の予防は、管理職だけの仕事ではありません。サブリーダーの皆さんが職員同士の橋渡し役となり、声をかけ合える雰囲気づくりをしていくことが大切です。
「最近、○○先生の様子が気になる」と感じたら、まずは何気ない会話から。そして、研修企画においても「職員が元気になる」「やる気が出る」内容を意識してみてください。

子どもたちの笑顔のためにも、まずは私たち大人が生き生きと働ける環境を作っていきましょう。

結論
「職員の心が離れる前に、心をつなぐ橋を架けよう。その橋こそが、子どもたちの未来を支える礎となる。」

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