ご感想

絵画造形指導の基本と実技『子どもが主体の絵画指導』の職場研修を行いました。

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研修は、演習ワーク「子どもの気持ちを理解する」からスタート。 先生方自身が立ち止まり、「子どもは今、何を感じているのだろう?」と考える時間を大切にしながら進められました。

その後は、絵画造形活動の理念や指導の三大方針・三大要諦について、具体的な保育場面の例を交えながら丁寧に解説。 「なぜこの考え方が必要なのか」「日々の保育とどうつながっているのか」、詳しく例を上げながら解説することで理解していただきました。

後半では、指導案三段構成法の紹介に続き、表現指導における五感のすべてで観察するという項目ではプチワークを入れ、見る・聴く・感じる――頭だけでなく、体感を通して学ぶ時間となりました。
具象・抽象の話も盛り込み、演習2では、抽象画(デザイン画)に挑戦していただき、「このようなアプローチもあっていいんだ」という新しい気づきに、会場からは驚きと笑顔が広がっていました☆

矢野先生の研修は、“技術を学ぶ”だけでなく、保育の原点に立ち返り、明日からの関わりが少し楽しみになる、そんな温かさと気づきにあふれた時間です。「子どもの表現をもっと大切にしたい」「声掛けに自信を持ちたい」そんな想いをお持ちの先生方に、ぜひ一度体験していただきたい研修です。

ご感想

だれでも自由に表現していい ― 研修で得た気づき
私自身、子どもの頃から“絵を描く”ということに対し、「うまく描かなきゃ」と思うことが多くあり、芸術は好きな方でしたが苦手意識もありました。 今回、矢野先生の研修を受け今までの気持ちが薄れスッキリしたように感じました。“不不正解はない”、“だれでも自由に表現していい”という言葉が心に響きました。子ども達にも芸術は楽しい!と心から感じてもらえるよう心がけていきたいです。

褒めることで生まれた、子どもたちの笑顔
普段の保育の中でお絵描きの活動があるが、まだ形にならいないものを描く1歳児へどんな教え方をすればいいのかと毎回悩んでいましたが、教えようとしなくてもその子の描いたものを肯定して一緒に見て、褒めることで絵の楽しさは伝わっていくということを知れたので良かったです。 早速、研修後の保育で、色使いを褒めたりぬりえで塗ったものを見ながら一人ずつ前で褒めたところ、とても嬉しそうでいつもより笑顔を見ることができました!

声かけの視点が広がった、表現を楽しむ学び
矢野先生の伝え方は一つひとつがとても分かりやすく、実践を交えながら進めていただいたことで、終始楽しく学ぶことができました。これまで子ども達の絵に声をかける際は、完成した形や分かりやすさに目が向きがちでしたが、今回の研修を通して、声かけの視点が大きく広がったと感じています。今後は五感を意識して、子ども達一人ひとりのありのままの表現や個性を大切に受け止めていきたいと思います。

描きたい気持ちが自然に湧き出る
環境や言葉がけで絵を描きたいという気持ちがどんどん湧いてくると実践することができました。また、鑑賞の称賛の時間がとても大切で褒められると自分自身も褒められているようで、とても気分が良くなりました。絵を描くのが楽しい!絵を描くのが好き!と誰もが思えるような不思議で優しい気持ちになれる時間でした。それも全て、導入と楽しい内容と称賛があったからだと思います。貴重なお時間とご指導ありがとうございました。

『誰かのため』から『自分のため』の表現へ
「誰かのための絵にすり替わりがち」というお言葉がとても胸に刺さりました。子ども達もいつの間にか自分の気持ちより第三者が喜ぶ絵を描くようになってきていると感じていたからです。今このタイミングでその気持ちに気づき、考え方を変えてあげられたら、絵を心から楽しめる子がもっと増えるのではないかと思いました。 どうしても指導しがち、正確さを求めがちだったものを見直し、これからは子ども達との会話を楽しみながら、五感で感じたことやその子らしい表現を受け止め、「描くことが楽しい」と感じられる時間を共に過ごしていきたいと思います。

絵画指導の考え方が変わった研修でした
これまで絵を描く活動では、前に出て見本を描きながら導入することが当たり前だと思っていましたが、それが必ずしも良い関わりではないということを知り、大きな学びになりました。 自分自身が絵に対して苦手意識や不安を持っていたため、子ども達にも「何を描くのだろう」「うまく描けるだろうか」と考えさせてしまっていたのだと思います。今回の研修を通して、絵画・造形活動の目的は「上手に描くこと」ではなく、描きたいという気持ちを育てることだと教えていただき、考え方が大きく変わりました。苦手意識を抱えたまま指導するのではなく、子どもが自然と描きたくなる気持ちに寄り添うことこそが、絵画の指導なのだと気づき、少しずつですが自信を持って関われるようになったと感じています。とてもためになる講義を、ありがとうございました。

絵画指導研修概要

講師 矢野文子先生

絵画・造形活動の指導支援を通じて元気な幼児教育環境を創出します! 絵画・造形活動の目的は、Education Through Artです。制作された作品の価値が問われるのでなく、作品の制作活動を通じて得られる様々なことに価値があります。 これは、芸術的な活動を通して行われる教育活動の豊かさを指しています。幼児期は、芸術的活動そのものに意味があり、活動体験を通して豊かな人間性を育てていきます。

講座『絵画造形指導の基本と実技』の主な内容

  • はじめに ~絵画造形活動の目的とは?
  • 1.指導の三大方針
    ①発達状況をよく観察すること
    ②個々を完全に受容すること
    ③五感を横断し環境設定すること 
  • 2.指導の三大要素
    ①環境設定のポイントを押さえる
    ②作品鑑賞の観点を理解する
    ③色彩の知識を修得する
  • 3.指導案三段構成法
    ①指導案三段構成法の組み方
    ②授業の始めの誘導の秘訣
    ③授業の本体の指導のポイント 他
  • 4.表現指導の二大要諦
    ①ありのままの個性を受け止める
    ②五感のすべてで観察を促す
  • 5.絵画・造形活動の二つの方向性
    ①「具象芸術」と「抽象芸術」という見方
    ②直接観察により写実的に描かれるリアリズム
    ③インスピレーションによる自由な表現のアブストラクト他
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